独特の質感を持つ
ボイス系に強いシンセ
V-Box-Xは、アナログシンセ的な仕組みを持ったデジタルシンセです。だから、アナログシンセっぽい音も出せます。しかし、このシンセはそのような音を出すために存在しているわけじゃありません。
このシンセが他のシンセと大きく異なる点は、2基あるオシレータにあります。それぞれのオシレータにコムフィルターと、それをモジュレートするオシレータ、ビブラートをかけるためのLFOが装備されています。コムフィルターについての説明はここでは割愛させていただきますので、興味のある方は自習してください(汗)。これらのモジュールによって、いかにもSyntheditなオシレータ波形が加工され、声のような音や、独特のスウィープ感を持った音になります。また、2基のオシレータは、DETUNEセクションでデチューンをかける事ができます。これで音量バランスも決めれればもっと良いのですが、残念ながら決めれません。しかし面白い事に、DBLつまみを動かすと、二つのオシレータが発音するタイミングがずらせます。複雑なシーケンスを組む時に使えるかもしれません。
フィルターはLP/HP/BPがおそらく並列に接続され、それぞれのバランスをフェーダーで決める事ができます。音が消えたり、自己発振するほど強力なものではありませんが、面白い効果が得られます。シンセには定番のエフェクト、ディレイ(本機ではECHO)・コーラス(本機ではDELAY)も内蔵されています。また、異様に長いタイムを設定可能なポルタメントも装備しているので、口笛サウンドもばっちりですね。
全体的に、あまり太さや厚みのある音ではありませんが、独特の質感はボイス系や管楽器系の音に適していると思います。
なお、現在メーカーサポートは終了し、開発元のLegacyプラグインコーナーで細々と公開されています。