Man and Machines

>>030

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 QUANTUM 64

アナログシンセ風の機能を持った
  SID音源風のユニークなシンセ

 QUANTUM 64は、SID音源をモデルにしたデジタルシンセです。SID音源は、往年の8bit‐PC 「Commodore 64」に内蔵されていたチップ音源であり、比較的シンプルな音源でありながら、同時発音数3音、搭載波形は三角波、矩形波、ノコギリ波、ノイズの4種類、各種フィルターによる減算合成が可能なうえに、リングモジュレーション機能も搭載していた個性的な音源です。とはいえ、音はやっぱり8Bitサウンド、ファミコンみたいなピコピコ音です。
  そんなSID音源をモデルにしたこのシンセですが、機能はSID音源の忠実な再現ではありません。機能はむしろアナログシンセに近く、要するに、SIDっぽい音の鳴るアナログシンセですね。
オシレータは一基で、音はSID風の電子音です。チープな音と高音部のエイリアスノイズがいい感じですね。SIDには無いサイン波なども出せます。エンベロープ付きのマルチモードフィルターは、音をしっかり削れる上にレゾナンスが強力に発振します。オシレータ、フィルター、QuantumセクションにかけられるLFOは、オシレータと同じ波形が選べるのが特徴です。
  そしてこのシンセの大きな特徴となっているのが、Quantumセクションとアルペジエイターです。Quantumセクションでは、オシレータから出る音の量子化ビット数を変化させる事ができます。Quantumつまみを左に回すほど量子化ビット数が上がり、波形が滑らかになります。逆に、右に回すと波形が階段状になり、音がブザーっぽくなります。つまみを右に回し、量子化ビット数を下げてやることで、昔のチップ音源のようなロービットな音を再現する事ができるのです。しかも、ビット数の上下をエンベロープなどで変化させ、独特の効果を出す事もできます。
  アルペジエイターは最大16ステップまで設定できます。1ステップ目は押したキーの音が発音され、2ステップ目以降は1ステップ目からの相対的な音の高さを指定して発音させる事ができます。ピコピコのシーケンスやアシッドなベースだけでなく、SEにも使えそうです。
  SIDを参考にしているだけに、チップチューンにも使えますが、フィルターがなかなかえぐい音を生み出すので、アシッドなベースなどにも使えそうです。マスターエフェクトで、ディストーションもかけれるので、チップチューンに限らず、いろんな場面で使えそうです。

仕様
評価
◎◎◎◎
GUI
◎◎◎◎
汎用性
◎◎
負荷
◎◎◎

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